世紀末オカルト学院 『マヤの亜美~ゴ』


↑貴重なこのアニメのアフレコ映像


亜美の父・茂と再会するマヤ。茂は昔のように怖い話をするが、マヤの反応は薄い。以前は楽しそうに聞いていたのに――オカルト嫌いになってしまったマヤを心配する茂。翌日、マヤとこずえは亜美の家に遊びに行く。亜美が取り出したのは、小学校の文集。当時の作文を読まれ、赤面するマヤ。そこへ、松代郊外でミステリーサークルが発見されたというニュースが飛び込んで…!?


さて、今回はミステリーサークルの話。

ミステリーサークルとは、1980年代に英国で畑の穀物が押し倒され、模様が浮かび上がっているものを発見したのが始まりである。
直線が交わって複雑な多角形を形成しているものや、円形の重なり、らせん構造など、さまざまな模様があり、一時宇宙人の襲来などの憶測が飛び交って世間を風靡した。

1990年代に入ると、このサークルを作ったという人が現われ、メディアの取材を受けながら、ミステリーサークルを作るということがあり、現在はミステリーサークルはヤラセという認識が強まってきている。

日本では、福岡県粕屋郡篠栗町にミステリーサークルが出現。大きいもので直径20メートルになるものが10個できたのが確認された。
このことに関し、大槻義彦教授は『プラズマ理論』を定義し、自然現象と断定した。
が、のちにこのミステリーサークルを作った張本人たちが、窃盗の疑いで逮捕され、自白したことから『ヤラセ』であることが、日本国民の頭に浸透した。
しかし、このミステリーサークルが現われた篠栗町は、町おこしでテレホンカードを作ったりしていた。かわいそうなのは、これに翻弄された篠栗町である。

最近は、このミステリーサークルは、オカルトなものではなく、商業広告、観光目的に人為的に作られることが多い。↓の動画を参照



ではなぜ、このようなミステリーサークルをマヤはノストラダムスのカギと思ったのか。

アニメを見ているとマヤはこういう定義をしていた。


ミステリーサークルは宇宙人によって造られたものである。つまり、2015年に地球侵略をしている宇宙人がなんらかの事に関わっている。

と、定義づけている。

この作品の宇宙人は「宇宙戦争」で侵略してくる火星人のトライポッドに酷似していることから、宇宙人はこの「宇宙戦争」の火星人みたいな体であるかと推測できる。

しかし、作中では宇宙人(?)はグレイタイプであった。
と、言うよりも、今回はヤラセなので、これでよかったのだと思えるのだが、当時の日本人の宇宙人のイメージはグレイタイプであったのだとこの作品ではうかがえる。

2000年代に入ってから、宇宙人=地球人とは異質の体をした侵略者という定義を逸脱したものになってきてる。

これは、「うる星やつら」では、宇宙人の定義が薄れてきたことになる。

そもそも宇宙人をどう描くかによって宇宙人がどのような目的で地球にやってきているのかが分かる。
ラムちゃんは諸星あたるという、元祖ハーレム主人公の婚約者として地球にやってきた。(もともとやってきたのは、地球侵略だったが、プロポーズをされてという設定である)

また、この漫画に類似している作品といえば、『ToLOVEる』である。

デビルーク星のお姫様が、家出に地球にやってきたときに匿ってくれた結城リトの婚約者になる。また、この結城リトは他の宇宙人や地球人との関係がややこしくなっており、ハーレムという言葉がふさわしい。

こうした、『宇宙人=婚約者』という設定において、まず宇宙人は地球人とそっくりであらなければならない。また、常に肌を露出する破廉恥な格好。そして、微妙な「しっぽ」や「つの」が確認される。


また、「ケロロ軍曹」では、地球侵略に来たのだが、当初の目的を忘れたり、ドジをしたりする『滑稽な宇宙人』を描いている。容姿はカエルにそっくりだ。

また、「涼宮ハルヒの憂鬱」では、宇宙人は寡黙。その上地球人とまったく同じなのだがチート級の強さを持つ者として描かれてから、宇宙人が変わってきていることが明らかにわかるのだ。


百年前は宇宙人は悪。そして地球人とはまったくかけ離れている。そうした思想のもとで描かれてきた宇宙人はどれも凶悪であった。

なぜ、このような宇宙人を敵視、いや地球人の天敵と位置付けたのか

当時は天文学が進んではいたものの、今とはかけ離れたもの。
異質なものを創造するSF作家のそのリアルな描き方が当時の天文学を超えたものであったのは間違いないだろう。
実際に、ラジオで火星人が攻めてくるぞ! と言ったところ本当に市民が慌てふためいたことが照明する。

しかし、近年になってきてからは、娯楽の対象として宇宙人が描かれてきた。

ウルトラマンがそれである。

まだ、その頃は宇宙人は地球侵略を企てる、と定義付けされていたので、100%が良い宇宙人と描かれていない。
しかし、ウルトラマンがそうした宇宙人を倒していったのを見ていた視聴者、つまり今の大人たちの意識の中に
「宇宙人=悪」という定義が壊れていったのだと思う。

その後、宇宙人が幼女だったり、巨乳であったりと逸脱したものに変わってきている。

そんな歴史があったとは私自身驚きである。



そして、現在。ネコ耳の伊藤かな恵の声のした宇宙人が沖縄を拠点に活動をしている。
nice!(30)  コメント(4)  トラックバック(0) 
共通テーマ:アニメ

nice! 30

コメント 4

HINAKA

お久しぶりの、HINAKAです。

THEアニキング様

これは真面目に考証すると、1冊の本になってしまうようなテーマですね。
基本的に、アニメに限らず特撮でも、本格的なTV時代は第2次大戦後という、歴史社会的な背景があります。つまり東西冷戦時代と、ナチス・ドイツや大日本帝国という軍事独裁制国家の、一方的な侵略(極めて画一的で一方的な見方ですが)という、イメージが強烈だった時代に発展した文化だという点は、見過ごせません。

つまり常に侵略に備えるというイメージと、アポロ11号の月面着陸に始まる、宇宙時代と科学万能つまりSF時代の幕開けです。
さらに、それよりも遥か以前にSF小説の創始者、イギリスのウェルズとフランスのベルヌによって、宇宙からの侵略や海底人類という、現地球人類とは異なるより科学技術の発達した、知的生物存在の予言。
更には、アメリカの「ターザン」の作者として有名な、バローズのこれもSFの金字塔とも言うべき、「火星シリーズ」これは優秀な?地球人が偶然火星に飛ばされ、そこで原始的な戦いを繰り広げている人類型火星人と、たの獰猛種族の戦いに巻き込まれ、衣服を付ける習慣のない火星人類の王女の色香に惑わされて、他の野蛮な知的生物(全て人類型と混血可能!)を、次々と虐殺し最後に全火星の覇者となり、目出度く火星の美人王女と結ばれると言う物語も、既に戦前から存在していました。

こうして侵略宇宙人が知的で人類型な上に、科学技術で地球人類よりも進んでいる(地球侵略が可能な時点で、月に行くのがやっとの地球人が勝てるはずがない!)という、ひな形がいつ第3次世界大戦=最終戦争が始まるか?という潜在的な、社会不安を反映して専制独裁宇宙人類による侵略行為と、平和民主的宇宙人との友好という、緊張の構図の中で様々な、SF娯楽作品が映像化されて行きます。

その最中に誕生した、TVアニメがその洗礼を、受けないハズはありません。
ただこの世界で初めて日本で成功した、ストーリー連続TVアニメ番組の週刊放送!という快挙を成し遂げた天才・手塚治虫氏が、本当に天才であったが故に、そのアニメ作品はともかく、その手から生まれた多くのストーリー・マンガには、既に宇宙人は侵略者か?友好の使者か?人類型は正義で、外見の醜い者は悪か?そして、我々地球人自身が侵略者となるアンチ・テーゼを、既に確立していました。

しかし商業的理由から、アニメ産業は基本的に正義VS悪という構図を、長く持ち続け、それは「マジンガーZ」という作品で確立したと言えます。
しかし、手塚の弟子達や手塚の洗礼を受けない、最近有名になった「鬼太郎」の作者水木しげる氏などの、異色のマンガもまた続々とアニメ化されました。
有名なのは、少女マンガこれも手塚発祥ですが、「リボンの騎士」から派生した魔法少女マンガ。「魔法使いサリー」の原作者は、「バビル二世」の横山光輝氏です。

ここでは既に、魔族と人間族が共存共栄できるか否か?という人種的に異なる上に、圧倒的に力の差のある種族との、共存が既に可能であるという物語が、当然のように作り出されて行きます。
そしてここに、「ムーミン」のような、全く人間とは異なる種族だけの、物語すら生まれ、後に名作シリーズと呼ばれる長編アニメ・ドラマへの、道筋を付けます。

そして、日本マンガ界にまた1人の天才が現れて、それまでの宇宙人や、侵略者イメージを根底から覆したのです。
言うまでもなく、高橋留美子氏の「うる星やつら」です。ここで注目すべきは、アニメとマンガの相乗効果です。すでに、初期アニメや特撮の洗礼を受けた人達が、アニメという表現手段に「うる星やつら」を取り込んだ時に、最初は手探りで、やがては確信的にマンガ原作者の意図とは異なる、独自の作品世界を加速度的に発展させ、しかもそれが爆発的に世間に認められました。

そこにはもちろん、後に世界的な映像クリエーターと呼ばれる事になる、押井守氏の存在もありましたが、何と言っても作り手達の創作情熱と、作品世界の一致が余りにも見事としか言いようがありません。
当初のマンガ原作では、ラムは単なるゲストで、ストーリーを通してのヒロインではありませんでした。高橋氏は最後まで、「あたるの相手はしのぶだ」と言い続けていたそうです(この作品の原作では、ほとんど名前だけで名字はありません。三宅しのぶという名字は、アニメ版のオリジナルです。なおあたるの父と母は、最後まで「あたるの父、あたるの母」と名前すらありません)。

また、この作品がそれ以前の先達の影響を色濃く受けている事は、居候をする事になったラムが、〈なぜか押入に〉住む事でもよく分かります。
もちろんこれは、有名な「ドラエモン」の影響です。この影響は、現在までも続いていて、居候はもちろん本人ですら現実逃避する時には、「押し入れ」に閉じこもるのが、日本アニメのセオリーです。

この画期的なマンガとアニメの成功により、日本はこのジャンルで無限の可能性を手に入れた!といっても、過言では無いと思います。
1つには〈日本の週刊少年マンガ誌に於ける純粋な恋愛及び性愛表現の潔癖なまでの規制〉これは、あだち充氏がスポーツ恋愛マンガという形で確立するまで、絶対のタブーでした。それが女性作家である高橋氏によって、ラブ・コメディで異種恋愛物という形で、見事に破られたのです。
つまり、人間の未成年同士は問題があるけど、異星人では仕方が無い。という逃げ道を作り、更にそこに本来の人間の女の子が絡む三角関係によって、恋愛への同年代女性の参戦が、コメディとしてなら許される!という、状況を生みました。

当然、ほとんどが男性作家の少年マンガでは、自らが理想とする美しい女性、可愛い女性、さらに肉体的精神的に、限りなく男子が求める理想の女性像を、次々と作り出しました。
同時に、その正常な性愛行為は描かれない物の、事故的な表現による女性像の強調(いわゆるパンチラに代表される表現)が、商業的成功を生む事が確実となると、それまで頑なに保守的恋愛観女性観を、作者に強要していた出版社側も、「通常の人間とは違う倫理観や社会で生きている異人種ならば仕方が無い」という完全な逃げ口上から、猫耳や尻尾、空を飛んだり魔法を遣ったりする事を、免罪符として認めるようになります。

これはラムが、それまでのヒロイン?では有り得無かった、トラジマのビキニ・スタイルではなく、女の子なのに角と牙がある!
これは、単純に鬼族だという、証明です。しかし当時、これを見た大人世代は、彼女を可愛い女の子とは決して思わず、バケモノの娘(確かに鬼娘です)と解釈したそうです。
なぜなら、女性に角と牙が生えた場合、般若の面を持ち出すまでもなく、それは怒り恨み憎む女性の、象徴です。これは現在も、基本的には変わっていません。

しかし、これが免罪符となって、少年マンガのタブーの壁に穴が空き、それを原作とするアニメにも、同時波及効果が及んで、現在に至る事は紛れもない事実です。
拙ブログで、このマンガやアニメでの異種恋愛と、人間同士の恋愛をテーマとして、私見を述べていますがまだまだ掘り下げが足りないと、これからも追求して行くつもりです。

個人的な意見を補足したつもりですが、また長くなくなってしまいました。
ただこのテーマは、そう簡単には片付かない、大きなものだという事だけは、お伝えしたかったので、お許し下さい。


by HINAKA (2010-08-22 05:07) 

アニキング

HINAKAさん、詳しい補足などありがとうございます。

戦後日本が歩んできた歴史というのは、こうやってサブカルチャーが礎となっていたとは過言でもなさそうですね。

「うる星やつら」の原作を読みましたが、やはり、今の漫画などに通ずるものがたくさんありますね。

本当にありがとうございます
by アニキング (2010-08-22 11:51) 

kotekoma

宇宙人って
結構アニメにかかわっている
意外ですね

by kotekoma (2010-08-23 02:34) 

スギナミ

茅原さんの事は書かないんですか?
by スギナミ (2010-08-24 23:03) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

【日本語】 このサイトは、日本人である私が作成したものです。私の意見を書いてあるだけです。外国人の方にも是非、日本のアニメの文化を広く知ってほしいと思います。日本語で書いてあるため分からないと思われますが、ご要望があれば対処はしますのでよろしくお願いします。 しかし、ただ韓国人と在日韓国人と創価学会の人はどうぞお帰りください。

 【English】 This site is what I who was Japanese made it. My opinion is only written. I think that it wants you for the foreigner to know the culture of the animated cartoon of Japan widely by all means. My best regards because of dealing if there is a demand though it seems that it doesn't understand because it writes in Japanese. However, the South Korean, Korean residents in Japan, and the person of Soka Gakkai must return.

【中文】 这个网站,作为日本人的我制作了。只是写着我的意见。我想希望外国人也是非,宽广地了解日本的动画片的文化。一般认为为了用日语写着不明白,不过,如果有要求应对做请多关照。 可是,只有韩国人和在日本韩国人和创价学会的人请返回。

【한글】 이 사이트는, 일본인인 내가 작성한 것입니다. 나의 의견을 씌어져 있는 것 뿐입니다. 외국인 분에도 꼭 일본의 애니메이션의 문화를 널리 알아주었으면 싶다고 생각합니다. 일본어로 씌어져 있기 위해서 모른다고 생각됩니다만, 요망이 있으면 대처는 하므로 잘 부탁합니다. 그러나, 단지 한국인과 재일 한국인과 창가학회의 사람은 아무쪼록 어서 와요 주십시오.

【Deutsch】 Ich wer dieser Stelle ein Japaner gemacht wurde.Ihm wird meine Meinung geschrieben. Ich glaube, daß ich will, daß der Ausländer die Kultur vom japanischen lebhaften Cartoon auf alle Fälle überall weiß. Darin scheint, daß das es nicht versteht, in Japanisch geschrieben zu werden, aber das Beschäftigen, wenn eine Forderung dort Ihnen im voraus dankt. Aber gefallen ein Koreaner und ein Koreaner, die in Japan wohnen, und die Person vom Sokagakkai bloß, kommen Sie zurück.

【Français】 Je qui est-ce qu'un japonais a été fait ce site.Mon opinion est écrite à lui. Je pense que je veux que l'étranger sache largement la culture du dessin animé animé japonais par tous les moyens. Dedans paraît que cela ne le comprend pas devant être écrit en japonais, mais négocier s'il y a une demande qui vous remercie dans l'avance. Cependant, un coréen et un vivre coréen dans Japon et la personne du Sokagakkai veut le retour simplement.

ブログを作る(無料) powered by SSブログ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。